公開日:2018/07/06
ホーチミンレトロなお店でフォーを楽しむ
どうせ食べるなら素敵なお店で!
ホーチミンに来た旅行者の方に一番希リクエストをいただくのが「フォー」。しかしフォーは北部の食べ物。ホーチミンでは意外と美味しいお店、人に積極的に勧めたいお店が少なく、迷いますよね。
そんな風に、決め手に欠ける時には、他の要素をプラスα。
こちらのお店は、ベンタン市場の南側、最近開発著しいエリアの一角にできました。かなり年季の入っていそうなビルの1階。角地を贅沢に使った敷地。
特徴的のは青い扉。入り口の両側の壁にいくつも並ぶ青い扉は開け広げられて、店内に入っても開放的な空気感を作り出し、どこかノスタルジックな印象も与えます。
店内にはシーリング・ファンがあるだけなので、暑い時期には少し辛いかもですが、さほどでない気温であれば、むしろ南国特有の空気を感じつつ、美味しいフォーを楽しめるので、ベトナムらしさを感じてもらいたい時のおもてなしにはもってこい。
店内も懐かしさをモチーフにしたテーブルや椅子、調度品が並びます。床にはこれもまた昔の雰囲気を醸し出しつつ、おしゃれなイメージもあるタイル張り。どこを撮っても絵になりますね。
作られたものではあっても、「過去からの時間を感じさせる演出」がとても巧みで、プラス、モダンなライトやポーチの装飾扉などが対照的で、また素敵。
とにかく、この空間にいることが嬉しく懐かしくなるような雰囲気。
肝心のフォーもオリジナル!
さて、お店にうっとりしているばかりではいけません。肝心のフォーのお味は…?
これまたオリジナリティが高いのです。ご覧のように澄んではいるけど、かなり茶色いですよね。鶏ガラや牛の骨を炊き上げて少しくすんだ濁りを持つスープは多いのですが、こんなに茶色が強いスープはあまりないかも。
早速ひと口すすって見ると…?
なんと不思議なことに懐かしい味。小さい頃に、日常的にフォーを食べていた人なんて、日本人では少ないでしょうに、こちらに人を連れてくると、なんだか馴染みがある、と言う感想をよく聞きます。
一体何に似てるんだろう?と、よくよく味わって見るとそれは…?
東京の中華そば。
鶏ガラ出汁に醤油ベースの元ダレを加えた、昔懐かしい中華そばの味!まさかそんなお味がベトナムにあるなんて思いませんよね?でも、ものすごくそれに近い感じのお味なんです。
麺もこだわりなのか、ひと筋ひと筋は細いものの、もったりとしたボリュームがあり、推測するに、これは多分フレッシュなフォー。しかもお店がこだわってるもの。あまりよそのお店では出会えない食感。
乾麺ではなく、米粉を薄く広げて蒸したものを切ったものがフレッシュ(生)フォー。食べ応えも十分にあるので、フォーはお腹にたまらない、という人にも満足してもらえると思います。
多くのフォーのお店と同じように、卓上には色々な調味料が並んでるのだけど、スープの味が、良い頃合いだったので使うことはありませんでしたが…
同じメーカーで取り揃えられてますね。もしかしたらこのメーカーの直営店なのかもしれません。
他にもあった、日本との縁
というわけで、ただ美味しいだけじゃなく、独特の懐かしさを感じられる店内でのおもてなし。喜んでもらえると思うのですが、日本人がベトナムにあるこちらのお店に懐かしさを感じる理由の一つを発見。
小野田洋灰。洋灰とは、セメントのこと。小野田セメントさんといえば、その昔には日本を代表する会社であったばかりでなく、今も他社との合併などを繰り返し、今も「太平洋セメント」さんとして、日本のセメント業界での最大手を誇る会社。
そんな会社の看板が、なぜこちらのお店にあったのか、またはこちらのお店にどこから買われてきたのかはわかりませんが…
日本人でもみたことのないような古い時代の日本の会社の看板があるフォー屋さん。なんとも不思議な気がしますよね。
いろんなところで、いろんな形で、日本とベトナムにはご縁があったのでしょうね。なんとなく、嬉しくなるようなこちらのお店。ぜひ試してみてくださいね。
お店情報
Pho Cong
住所:142 Le Thi Hong Gam Q1
電話:+84 8 3760 0853
営業時間: 07:00 – 17:00
執筆:フードアナリストちぇり
フードアナリストちぇりのホーチミン美味いもん