公開日:2020/02/28
ベトナム進出はまだイケる?
※今回の記事は沢山数字などが出てきますので、午後の昼食後などは避けてご覧ください。
本記事はベトナムに進出済み、進出を検討されている企業様も多くご覧になっていますので、『ベトナム進出はまだ大丈夫なの?』という疑問への考察をしていきます。
あまりにも実態を語ってしまうと個人や会社ごとに感じ方が変わってしまいますので、客観的な数字データを中心に考察を進めさせていただきます。
※データの数字はベトナム各当局の発表に基づいた翻訳ニュースサイトの記事から引用しております。
最初に結論!
データを見る限りでは、あと数年はベトナムの高成長、進出ブームが続きそうです!
前提として、今回の新型コロナの様な不可抗力が無い場合、となりますが、、、これから進出する方でも、やり方さえ間違えなければ十分に成果を上げられるでしょう。
ちなみに筆者は昨年(2019年)から『あと5年、次はミャンマー』と呪文のように繰り返しています。
数年後を見据えて、ミャンマー進出の立ち上げ代行(私を実行部隊とする)オファーお待ちしております(笑)
どのデータ見たの?
着目したデータは基本ともいえる以下の3つです。
・実質GDP成長率
・貿易収支
・FDI認可投資額
数字を上げるだけではニュースサイトと変わらないので、考察なども加えていきます。
1つめGDP成長率
ベトナムの2019年の実質GDP成長率は7.02%、参考として2018年は7.08%、2017年は6.94%でした。3か年の平均は7.01%です。2020年の成長率予測は6.8%と言われています。
とりわけ製造業11.29%、運輸業9.12%と抜けており、まだまだ製造業の方々は恩恵を受ける見込みは十分あります。
※新型コロナの収束時期により、成長率予測が下方修正され6.27%説と、6.09%説が出ております。それも6%越えではあるんですが、、、
弊社の様なコンサル含むサービス業全体も7.3%成長と平均以上であり、発展に伴い第三次産業へ軸がシフトすると考えれば、もう少し伸びしろはありそうです。
ちなみに日本の実質GDP成長率が7%近くだったのは、1988年の6.8%です。(1987年は4.7%、1989年は4.9%)
まさにバブル景気の真っただ中が現在のところの高成長の最後ですね。
2つめ貿易収支
2019年の貿易収支は約99億ドルの黒字、参考として2018年は約72億ドル黒字、2017年は約29億ドル黒字でした。
輸出先の1位がアメリカ、輸入元の1位が中国という、まさに迂回貿易状態になっていますので、綱渡りを失敗してしまうことがあれば、一気に貿易赤字に傾く可能性を残しています。
なお、この貿易黒字を作り出しているのは、完全に外資系企業です。
外資のみ: 輸出(約1,813億ドル)-輸入(約1,455億ドル)=約358億ドルの黒字
ローカルのみ:輸出(約821億ドル)-輸入(約1,080億ドル)=約259億ドルの赤字
というように国内経済安定のために外資系企業は欠かせない戦力となっていますので、まだまだ外資系企業として進出の余地はあります。
3つめFDI認可投資額
FDIとはいわゆる外資系企業の進出・投資案件になります。
2019年のFDI認可額は前年に比べて7.2%増加、参考として2018年は1.2%減、2017年は44%増加!! 2017年がバグみたいな増加率なので、2018年の微減はやむなしというべきでしょう。
さて一見すると外資系企業の進出は順調なのですが、この3年間でも面白い動きがあります。外資系企業の投資は統計では3パターンに分かれています。新規、追加(増資)、M&Aです。
過去3か年の投資総額に占める内訳を見ていくと
2017年:新規59.3% 追加(増資)23.5% M&A 17.2%
2018年:新規50.7% 追加(増資)21.4% M&A 27.9%
2019年:新規44.0% 追加(増資)15.3% M&A 40.7%
と、M&Aによる進出が急増している状態です。
ただ、日系企業、とりわけ製造業に限れば、追加投資が多い印象ですね。
前職の銀行員時代は製造業の方との面談では、工場の増築、広い場所に移転先探し、第二工場の場所探し、など増産体制構築のために頭を悩ませるという、前向きなご依頼、ご相談をいただくことばかりでした。その結果、販売会社の設立などにつながるお話も結構あります。(ライセンス取得はお任せください!)
ベトナムのM&Aはどんなかんじ?
M&Aの業種別についての細かい調査データが手元にないのですが、前職で実行フェイズに携わった経験から、現在は製造業で外資がローカルの持ち分購入するのが大多数です。
ただ、サービス業での持ち分購入や、外資のベトナム現法を別の外資が購入というパターンもありましたので、今後、購入方法の多様化は進んで行くと推測できます。ちなみにベトナムのM&Aは調査の段階で相当に苦労することになります。
そんな苦労した挙句、その結果が本当にまともな数字なのかも不明です。(ローカル企業は特に)日系企業の多くは確実性を求めるあまり、調査段階で諦めて独資での会社設立に移行する場合も多々あります。
さらに送金実行の段階も細かいルールに従って行う必要がありますので、2回苦しみます。弊社ではこの実行フェイズの代行はお取り扱い可能ですので、併せてご検討ください。
この勢いに乗り遅れないために進出したい、でも新型コロナのせいで人は国外に出したくないという企業様、弊社では会社立ち上げと諸々の初期設定まで代行するサービスもありますので、是非ともご相談ください。
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