公開日:2025/05/16
新赴任者必見!ベトナムの採用・労務管理 よくある質問6選
ベトナムに新たに赴任された皆様へ。現地での採用や労務管理について、日系企業の皆様からよくいただくご質問を中心に、分かりやすくまとめました。初めての方にも参考にしていただけるよう、基本的な情報と最近の傾向を交えてご紹介しています。
Q1:進出日系企業の採用傾向は?
募集背景としては、「欠員補充」でご採用をご依頼いただくケースが圧倒的に多いです。ベトナムは日本のように新卒採用時期はなく、バラつきがあるため、通期で募集されるケースは少ないです。また、求職者の動向としては、テト前後が最も活発で、その後は徐々に落ち着いていく傾向があります。
とはいえ、すでに退職されて求職活動中の方も一定数いらっしゃるため、テト以外の時期でも求職者が極端に少なくなることは少ないかと存じます。
Q2:求人数が多い職種は?
外資系企業の進出が加速していることもあり、ベトナムは大きな転換期を迎えています。これに伴い、日系企業を含む多くの企業において、以下のような採用動向が顕著となっています。
IT・デジタルマーケティング職:オンラインシフトやEC需要の拡大に対応
営業職(特に新規開拓):内需拡大を視野に入れた市場開拓を目的
管理職・マネジメント層:企業の「現地化戦略」に対応した人材育成ニーズ
Q3:昇給・賞与の相場は?
昇給率:昨年のジェトロ様の調査結果によると、昇給率は中央値も5%台。次いで回答が多いのは6%または3%台でした。非製造業では、10%以上とする回答も1割近い。
北部では製造業、南部では非製造業の昇給率が高い傾向がみられたそうです。
日系企業の昇給率は5~10%の間で検討されている企業様が多いかと存じます。
賞与:業績・成果によって異なりますが、最低1か月分を保証されている企業様が多いかと存じます。
Q4:試用期間はどのくらいの期間?
試用期間は仕事の内容によって異なります。
・管理職の場合、180日超えない
・技術・専門職(短大以上)、60日超えない
・職業学校や専門学校卒の技術職 30日超えない
・その他の業務 6営業日以内
試用期間中の給与は、正規雇用時の給与の85%以上でなければなりません。
労使双方は、この期間中においては事前通知を行うことは不要で、契約の解除が可能。
Q5:雇用期間は?
ベトナムでは以下3種類になります。
①12か月以内の契約(季節労働または特定業務に係る期間の定めのある契約)
②12か月以上36カ月以内の契約(期間の定めのある契約)
③期間の定めのない契約
※期間の定めのある雇用契約は、2回まで(更新は1回まで)しか結ぶことができません。
2回目の更新はすなわち「期間の定めのない契約」になります。
Q6:代表的な福利厚生は?
・通勤交通費:バイク通勤の方用にガソリン代、バイク駐車場が有料の場合は駐車場代など
・携帯電話通話料手当:個人所有の携帯電話を業務で使用する場合の通話料
・昼食手当(支給):製造業の場合はほとんどの企業が会社支給(食堂・給食センターなどの仕出し弁当)、オフィスワーカーでは手当として支給
・語学手当:日本語(N1~N5)・英語(TOEICスコア)の資格やレベルに応じての手当、語学学校の授業料やテスト代などの補助
・勤続手当:入社してから3年・5年・10年など節目で支払う一時金
・結婚・出産手当:結婚、出産時のお祝いで支払う一時金
・住宅手当:移転を伴う勤務を命じる場合などの住宅補助手当や会社保有の社員寮、借り上げ住居など
・出張手当:ベトナム国内・国外への出張時に支払う手当
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