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公開日:2021/03/26

グエンフエ通り

 

【ベトナムM&A】1 はじめに

ベトナムへ進出する場合、新規にベトナム法人を設立する方法がまず考えられます。

この場合、自社で事業設計を一から構築できるメリットもありますが、逆に言えばすべてを自前で用意しなければならない点はデメリットにもなりえます。

このデメリットを回避する方法として、既存の企業を買収する方法、すなわちM&Aが考えられます。

既存の企業を買収する場合、その企業が既に有している財産やノウハウを活用して、ベトナムで事業を展開することができます。

ベトナムでM&Aを実施する場合、基本的な流れは他国で行う場合と大きく異なることはありません。M&A手法の検討、デューデリジェンスの実施、株式や持分の譲渡等の契約締結、これが完了しクロージングという流れで行われることになります。しかし、行政手続等においては、いくつかべトナムに特有のものが存在します。

そこで、今回はベトナム特有の規制を中心に述べていこうと思います。

なお、2021年から新しい投資法(61/2020/QH14、以下「投資法」といいます)、企業法(59/2020/QH14、以下「企業法」といいます)が施行されていますので、本稿では新法に基づいて記載します。

また、大型のM&Aにおいては関連する可能性のある規制が増えますので、本稿においては、小規模のM&Aを念頭に記載しています。そのため、競争法や証券法の規制等、一部の規制については記載しておりませんのでこの点ご承知おきください。

 

ホーチミン人民委員会庁舎

 

【ベトナムM&A】2 M&A手法の検討

M&Aの具体的な手法としては、㋐株式(買収対象会社(以下単に「対象会社」といいます)が株式会社の場合)または持分(対象会社が有限責任会社の場合)の取得、㋑資産譲渡、㋒合併や会社分割の組織再編行為の三つが主として考えられます。

この点、㋑の資産譲渡と㋒の組織再編行為は実務上あまり用いられていません(ただし、既存の会社のリスクを引き継がないために、㋑を選択するケースもあります)。

㋑の場合は個々の資産の承継となるため、資産の特定や譲渡の手続きが煩雑になる場合があること、㋒は外資企業による実例が乏しく、施行細則の未整備等があることが原因となっています。

そこで、本稿では以下、㋐の株式または持分の譲渡(以下総称して「株式等譲渡」または「株式等の購入」という場合があります)を行う場合の手続きについて述べていきます。

 

ドンコイ通り

 

【ベトナムM&A】3 デューデリジェンスの実施

1)デューデリジェンス結果の株式等譲渡契約への反映
デューデリジェンス(以下「DD」といいます)とは、投資や企業取引、M&Aの実施の際に対象となる企業や資産の価値、問題点を把握するために行う調査のことをいいます。

M&Aの際に行われるDDは株式譲渡等の契約締結前に実施され、DDの結果明らかとなった問題点を前提に契約条件を決定することになります。

ここでいう契約条件の具体例としては、対象会社の一定時点における一定の事項が真実かつ正確であることを表明しその内容を保証する表明保証条項や、売主側に問題点の是正義務を課す条項等があります。

2)二重帳簿
ベトナムのローカル企業を対象とするDDでは、当局に提出するようの財務諸表と内部管理用の財務諸表の双方が存在することが多くあります。

そのため、内部管理用の財務諸表の存在に気づかずDDを実施してしまうと、対象会社の財務状況の実態をまったく把握できないことになってしまいます。

 

ホーチミン市2区ビル

 

【ベトナムM&A】4 持分・株式取得に関わる制限

1)有限責任会社
① 2名以上有限責任会社
ア)先買権
2名以上有限責任会社の社員には、持分を第三者に売却しようとする場合にその売却条件と同等の条件で買い取る権利である先買権が認められています(企業法第52条第1項)。

そのため、すべての社員と合意して持分を取得する予定でない場合は、他の株主との調整が必要となるため、当該先買権について注意が必要となります。

イ)持分譲渡の効力
持分の譲渡の効力は、譲渡人と譲受人の間で合意しただけでは生じず、譲受人に関する一定の情報が社員登録簿に記載されることによってその効力が生じます(企業法第52条第2項)。

ウ)登記の変更
買収により2名以上有限責任会社から1名有限責任会社に変更となる場合は、持分の譲渡の日から15日以内に企業登記の変更が必要となります(企業法第52条第3項)。

② 1名有限責任会社
ア)持分の取得
対象会社が1名有限責任会社の場合は、相手方の合意により持分の取得をできるのが原則です。

しかし、対象会社の所有者が組織で、複数の委任代理人が選任されている場合は社員総会の特別決議による承認が必要となります(企業法第80条第6項)。

イ)企業登記の変更
持分の全部ではなく一部を取得することにより、対象会社が1名有限責任会社から2名以上有限責任会社に変更となる場合にも、持分の譲渡の日から10日以内に、企業登記の変更が必要となります(企業法第78条第1項)。

 

2)株式会社
株式の譲渡制限については、とりわけ対象会社が公開会社に当たる場合は多岐に及びますので、本稿では一般的な株式の譲渡制限を記載するに留めます。

株式は自由に譲渡できるのが原則です(企業法第115条第1項第d号)が、㋐発起株主の株式譲渡(企業法第120条第3項)、㋑定款に譲渡制限の定めがある場合(企業法第127条第1項)、㋒議決権優先株式の譲渡(企業法第116条第3項)が規定されており、これらの場合には株式の譲渡が制限されます。

なお、議決権優先株式は法律上譲渡が禁止されているため、普通株式に変更したうえでの譲渡が必要となります。

 

ホーチミンの路地

 

【ベトナムM&A】5 M&A承認

1)M&A承認が必要な場合
外国投資家が、株式や持分の購入を行う場合には、対象会社の株主や社員の変更を行う前に、当該株式等の購入を登録しなければならない場合があります。

投資法61/2020/QH14第26条第2項によれば、㋐対象会社が条件付投資分野を事業登録しており、当該株式等の購入により、対象会社における外資の出資割合が増加する場合、㋑対象会社における外資の出資割合が50%を超える場合で、かつ外資の出資割合が増大する場合、㋒対象会社がベトナムの国防上重要な土地の使用権証明書を有する場合には登録が必要とされています。

㋐や㋑に該当するケースが実務上は多く、M&A承認を行っている事例は多くあります。

2)M&A承認の法定処理期間
M&A承認の法定処理期間は15日以内と旧投資法(67/2014/QH13第26条第3項第b号)で定められていました(条件に合致している場合、登録申請書類を受領した日から15日以内に、投資家の変更手続きが可能となる旨の通知が行われます。

実際には当該期間が守られず長期に渡る場合もあります)が、現行投資法には同様の規定がありません。そのため、当該15日以内との規定は現行法でも有効なものと解されます。

ただし、新投資法第26条第4項には、M&A承認の手続きについて詳細を規定するとされていますので、新政令等の制定により上記の法定処理期間は変更される可能性があります。

 

ベトナム国旗

 

【ベトナムM&A】6 企業登録証明書の変更・投資登録証明書の取得(管轄当局や個別の案件により異なる取扱いがなされる可能性があります)

1)企業登録証明書の変更
① 対象会社が株式会社の場合
企業登録証明書の変更は不要ですが、経営登記機関に通知する必要があります。
② 対象会社が有限責任会社の場合
社員の名称が企業登録書記載事項となっているので(企業法第28条第3項)、企業登録証明書の変更が必要となります。
変更は、変更事由が生じた日から10日以内に申請を行う必要があり(企業法第30条第2項)、法定処理期間は書類を提出してから3営業日以内とされています(同条第3項)。

2)投資登録証明書の取得
対象会社がローカル企業の場合、投資登録証明書の取得は条文上不要となっていますが(投資法第37条第2項第3号)、対象会社が外資企業の場合で、その会社が既に投資登録証明書を取得している場合はその変更が必要となります。

島崎 雄太郎 【執筆者】島崎 雄太郎 Facebook 弁護士法人キャストハノイ支店長
日本国弁護士
ベトナム外国弁護士
2016年に司法試験に合格し、司法修習(70期)を経て国内法律事務所に勤務。企業法務や一般民事事件等を手がける。2019年から弁護士法人キャストに参画。 弁護士法人キャストHP https://cast-vietnam.com/
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