公開日:2019/07/05
ベトナム新規進出・事業立ち上げ責任者の人選について(成功させた人に共通する5つの特徴)
日本社内でのエース人材(優秀なマネージャー)を投入すれば成功するか?
弊社ではベトナム新規進出や新規事業立ち上げについてご相談頂く事がございます。誰を責任者として選んだ方が良いかなどのポイントもアドバイスさせて頂く場合もあります。中小企業の場合は新規進出を判断した経営者自身や親族が立ち上げ責任者として赴任する場合もありますが、一般的に候補者になる方は社内での海外勤務経験者、英語力が堪能な方、優秀なマネージャー、日本国内既存事業でのエース人材が適任者と考えている企業が多いです。もちろん間違いではないですが優秀なマネージャーやエース人材の特徴のひとつには業績目標の達成意欲が高い方が多い気がします。
ベトナムなど後進国の海外事業は結果がでるまで時間を要したり、戦略自体を一から練り直す必要が多い現実もあり、業績目標の達成意欲だけでは粘り強く海外事業を立ち上げるのは難しいです。
以下が実際にベトナム事業立ち上げを成功させた人に共通する5つの特徴になります。
1.コミニケーション能力
事業立ち上げでは情報収集も大切な業務になります。国籍・価値観の違うベトナム人材と仲良くなれる力、知らない人ともすぐ関係性を作れる力、自分の意見を端的に伝える力、本社に状況報告をスムーズに出来る力などコミニケーション能力は基礎になる能力と言えます。ベトナム在住日本人同士でも異業種交流も多く、その中でビジネスのヒントが存在します。当たり前ですが英語力・ベトナム語力などの語学力が高い人は海外生活のストレスも少なくコミニケーションの生産性も高くなりやすい傾向はあります。
2.個人の成長意欲が高い
海外事業の立ち上げはトライアンドエラーの繰り返しになります。企画力やマーケティング力がある方でも多くの失敗を体験します。失敗した時にセルフモチベーションとして自分はまだ成長できる。様々な経験をする事は能力を伸ばせる機会であると考えられる人材はチャレンジングな仕事を積極的に好んでやろうとします。そして粘り強く継続させる事ができます。
3.フットワークが良く行動力がある
事業責任者は事業計画立案・市場調査・営業・総務・経理・本社へのレポート作成など日本では経験したことが無い業務が多くなります。当然ですが過去に経験したことが無い業務が多数存在します。その時にまずはやってみるなどの行動力が必要にはなります。曖昧な状況下でも「行動すれば次の現実」を理解してまずは素早く行動する能力は重要です。
4.交渉力と分析して判断する力
新規進出時にはベトナム当局、仕入先開拓や購買業務、会計・IT・不動産・人材などサポート業者との打ち合わせ・交渉などがあります。当たり前ですが立ち上げ当初はお金を使う機会が多く、投資を実行させる分析力や判断力が求められます。時間をかけて熟慮する事も必要にはなりますが、現地責任者の判断遅れは事業推進させる上では大きなマイナスになります。サラリーマンの多くは決断を求められる経験も少なく判断力を磨く経験も少ないです。本社側が現地側にどのような権限を与え、決済をどこまで持たせるかも合わせて考える必要もあります。ベトナムに限らず、海外事業はあるゆる局面で日本よりはハードネゴシエーターの必要があります。
5.人間力
海外事業の多くは当初の計画通りには進まない厳しい現実に直面します。必ず修羅場を経験します。人・物・金・情報など経営資源が足りない現場での立ち上げが現実です。本社側もベトナムの現場理解している場合は少ないです。その修羅場に対して最終的に立ち向える胆力や覚悟。厳しい現実の中でも前向きに本社や取引先、従業員に対して相手の立場を踏まえたコミュニケーションを取り続ける力が求められる気がします。本社に対しても意固地にならず、素直に助けて欲しいと言える力も必要になり、周りから応援してもらえる資質がある方が結果的には事業立ち上げを成功させている場合が多いです。当然その中には自分を律する自制心なども含まれております。人格が高い人とも言えるかも知れません。経営に近いポジションほど人間力が求められるのは日本でも同様ですが、海外での事業立ち上げでの人間力の定義は、胆力・覚悟・相手の立場で考える・自分を律する力かとは思います。
上記5つの特徴は最初から兼ね備えている人材は少ないです。その資質を見極めて人選頂きたいです。上記特徴を習得する学習プロセスには3年~10年ぐらい必要な気がします。
出来れば本社からのサポートや経営層から相談相手としてメンターなども準備頂きたいです。
残念ながら学習プロセス時期に帰任したいとの申し出や退職したいなどの状況になる場合もございます。期待していた人材が海外立ち上げミッションをきっかけに退職することは少なくないです。
学習プロセスは
①他責志向期(自分以外の他者に上手く事業が進まない原因を求める)
②現実受容期(現実を受けとめて自分を見つめなおす)
③反省的思考期(深い内省を行い、自責に転換する)
④視座変容期(主体的にリーダーシップを発揮して経営者としての視座を獲得する)
の4つのプロセスになります。結果的に学習プロセスを経た人材は日本本社にとっては経営人材の育成につながります。事業を創出できる経営人材は企業にとっては財産とも言えます。ベトナム進出を経営者育成の一つとして捉えて頂きたいです。
弊社では現地法人責任者人材の紹介実績も多数ございます。ベトナム駐在員や事業立ち上げ人材についてもお気軽にご相談頂ければとは思います。
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