公開日:2021/10/15
【2021年10月最新】ベトナム 労働許可証(ワークパーミット)申請の条件緩和について
今年(2021年)、ベトナムで働く外国人の間では労働法改定とそれに伴い労働許可証の取得の厳格化が大きな話題となっていました。
ざっくりと言うと、今年の春から労働許可証の取得が難しくなり、労働許可証が取得できずベトナムで働くことができない外国人が多く現れました。
弊社コラムでも労働許可証申請に関する変更点は度々コラムにしております。
↑そもそも労働許可証(ワークパーミット)って何?という方はこちらのコラムからご参照下さい。
ですが2021年9月に新たな決議がなされ、ざっくりと言うと、労働許可証の申請条件が一部緩和されました。(つまり取得しやすくなった)
今回は特に影響が大きいと思われる変更点2点をご紹介します。
2021年春の労働法改定以降 労働許可証の取得状況
2021年春に労働法が改定され、労働許可証の申請条件が厳格化→その後、コロナ感染拡大による社会隔離措置(ロックダウン)で書類手続き全体が数カ月間ストップ、ということもあり、春~10月までは労働許可証の取得はかなり難航しました。
具体的には、この半年ほどは現地で下記の状況が生まれました。
①労働許可証の申請条件が厳しくなったため、取得できない人
②労働許可証(だけでなく、レジデンスカードやビザ含む)の申請条件は満たしているが、社会隔離措置(ロックダウン)で手続きができず、取得できない人
また転職市場においても、①の影響で求人の募集条件が厳しくなるケースもありました。
理由:企業としては入社後に業務内容は学んでも問題はないが、労働許可証の取得のために条件を厳しくせざるを得ない、など。
今回(9月)の条件緩和で影響があるのは①のケースで取得が難航した人になります。以下、具体的な緩和内容を紹介します。
2021年9月の条件緩和内容①教育(大学などの専攻)とベトナムでの職種の関連性を強く求めなくなった
以前は、教育(大学や専門学校などの専攻内容)と過去の職歴、そしてベトナムでの職種の関連性が求められていました。
例:経済学部卒(教育)→日本で経理職として3年以上勤務(過去の職歴)→ベトナムで経理職として就職。
ですがご存じの通り、上記のようにストレートにご経歴を積んでいる方ばかりではありません。総合大学を出ている方などは特に、専攻と職種がマッチしないケースが多々あります。
この教育との関連性がネックとなり、これまで労働許可証が取得できていた人も今年から急に取得できないケースが増え、日本人のみならず欧米、韓国など色んな国からベトナム政府に意見が出ていました。
それが9月の条件緩和により、「ベトナムでの職務に関連した分野での、3年以上の勤務経験 」のみに変更され、「教育」への言及がなくなったため、実質的には教育について問わない流れになってきています。
(表現が曖昧なのは、「教育分野は問わない」とは名言されておらず、また役所の担当者によっても対応が変わる可能性がある為となります)
2021年9月の条件緩和内容②過去に発行されたベトナムでの労働許可証が「専門家・技術者」カテゴリーの証明書類として使える
労働許可証のカテゴリー(専門家・技術者・管理職)については、下記ご参照下さい。
以前は、「専門家」「技術者」カテゴリーで申請をする際は、下記の証明書類が必要でした。
・卒業証書(学位)
・勤務経験年や職種等が記載された外国企業からの証明書(在職証明書)
しかし今回の変更で、上記資料に加えて過去に発行された労働許可証を、勤務経験を証明する書類として提出できるようになりました。
→既にベトナムで勤務経験がある方にとっては、有利になるケースがあるかと。(職種が異なる場合は難しい可能性はあります)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介したのは条件緩和の一部で、他にもパスポートの公証コピーが不要になるなど、変更はいくつかありましたが、ご紹介した2点が特に大きな変更かと思います。
ベトナムの労働許可証の条件は、「変更が多い・解釈が難しい・実運用にバラつきがある・ベトナム語運用がメイン」のため、オフィシャルの情報だけでは分からない事も多いかと思います。
そういった時は現地在住コンサルタントとの面談を通し、ぜひ現地の声を確認してみて下さい。