公開日:2021/12/10
【ベトナム・ビジネス必須知識】レッドインボイスは請求書なのか、領収書なのか?
レッドインボイス(公式領収書)とは?
レッドインボイスとは、ベトナムでビジネスを行った際、サービスの提供時(有形・無形サービスともに)に発行される公式領収書となります。
なぜレッドインボイスと呼ばれるかというと、紙面が淡い赤色をしている為になります。過去は紙面で発行されていましたが、2019年からは電子インボイスへと切り替わっております。(電子版でも色は赤です)ベトナム語だと「Hóa đơn đỏ(ホア・ドン・ドー)」と呼ばれます。
またレッドインボイスを発行するには税番号(納税コード)が発行側・受け取り側も必要になります。
日本人が戸惑うポイント 請求書なのか、領収書なのか?
日本語訳では「公式領収書」と呼ばれる通り、「領収書」ではあるのですが、同時に「請求書」の役割も果たしており、困惑される方も多いです。
ざっくりとご説明すると、以下の通りです。
「売り手(発行側)から見ると請求書」
「買い手(受け取り側)から見ると領収書」
今回はレッドインボイスが持つ「領収書」と「請求書」のそれぞれの役割に焦点をあてて、解説していきます。
請求書としてのレッドインボイス
これは発行側(売り手)からの概念になります。
実はベトナムのオフィシャルレター(政府の公式発表)では、「サービス提供に対するインボイスを発行日は、当該サービスを完了する日であり、入金有無は関係がない」とされています。
「入金の有無は関係がない」とある通り、支払いが後日のケースもあり、「領収書(サービス提供の代価としてお金を受け取った証明)」にはなりません。
また、(滅多にないケースではありますが)受け取り側がレッドインボイスは不要だとしても、発行側は発行する「義務」があります。
※受け取り側が前払い(サービスの提供よりも前に代金を支払う)場合は入金日が優先されて、入金日に基づいてレッドインボイスは発行されます。
領収書としてのレッドインボイス
買い手(受け取り側)からしたら、法人税申告の際に損金経理の証憑書類として使われる為になります。
日本では消費税の申告は基本的に帳簿に基づき行われるかと思いますが、ベトナムではこのレッドインボイスに付加価値税(日本でいうところの消費税)に関しても明記されており、レッドインボイスが用いられます。
注意点としては、全てベトナム語で記載され、会社名や住所等の必要情報も完全一致していないと認められないため、内容に誤りがないか十分注意しましょう。
※補足として、受け取り側がベトナム国内企業の場合は税番号が必要ですが、外国にある企業(例えば日本法人など)の場合は、税番号がなくても発行できます。
日本では馴染みがないため戸惑いやすい制度ですが、自信が「発行側」だとしたら「請求書」、「受け取り側」だとしたら「領収書」の役割が強いと認識をしたら、その取扱い方も理解がしやすいかと思います。