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  • データから見るベトナム経済 ~コスト優位性と高スキル人材の台頭、日系企業のHR戦略の方向性~

公開日:2025/07/25

データから見るベトナム経済
~コスト優位性と高スキル人材の台頭、日系企業のHR戦略の方向性~

英国の経済専門誌「エコノミスト」が2025年7月発表のビッグマック指数は、ベトナム経済の特長を示す指標の一つです。この指数によると、ベトナムドン(VND)が米ドル(USD)に対して半値近くも過小評価されていることが示されており、購買力平価(PPP)の観点から見ると、ベトナムの物価水準が国際的に見て極めて競争力があることを示唆しています。
この世界共通のビッグマックの価格比較は、ベトナム市場のお得感を象徴する指標とも言えるでしょう。
また、この割安感はビッグマックに留まりません。より広範な物価動向を示す消費者物価指数(CPI)を見ても、直近のデータでは安定した上昇率を維持しており、政府目標内に収まっています。これは、物価水準が低いにもかかわらず、急激なインフレを伴わない健全な経済成長が続いていると言えるでしょう。

【ベトナムでの生活とコストのリアル】(ホーチミンを例に)

実際にベトナムでの生活に目を向けると、その物価水準の恩恵を肌で感じられます。ここでは主要都市であるホーチミンを例に見てみましょう。

● ローカルフードの手頃さ:
フォー一杯: 約5万ドン(約300円)
バインミー: 約2万ドン(約150円)前後
● コーヒー文化と価格帯:
ベトナムコーヒー(ローカルカフェ): 一杯あたり2万ドン(約150円)程度
※日本の380円~、ニューヨークの約700円~と比較すると、依然として手頃な価格帯です。

【人件費の二面性】低賃金と高スキル人材の台頭

企業の人件費という観点から見ても、ベトナムの優位性は明確です。

◆ 最低賃金の現状とトレンド

● 最低賃金の現状:
ホーチミン市を含む第1種地域の最低賃金は月額496万VND(約2.8万円) と設定されており、これは日本やアメリカ、さらにはタイやマレーシアといった他の東南アジア主要国と比較しても、低い水準にあります。
● 最低賃金の上昇トレンド:
過去3年の最低賃金上昇率を見ても、ベトナムの主要都市部では着実に賃金が上昇していますが、依然として他国に比べて緩やかな推移に留まっています。

◆ 高スキル人材の給与高騰

この「低賃金」のイメージとは対照的に、管理職、ITエンジニア、デジタルマーケティング職といった高スキルを持つプロフェッショナルの給与は近年、急速に高まっています。

● 給与高騰の背景:
ベトナムがオフショア開発拠点として注目されていること
国内でもデジタル化が加速していること
国内企業の成長及び外資企業の進出増加により優秀な人材の獲得競争が激化していること
特にIT分野では、経験豊富なシニアエンジニアやプロジェクトマネージャーの年収が、最低賃金の何倍にもなるケースが一般的です。この賃金水準は、ベトナムに進出する日系企業にとって、製造業におけるコスト競争力維持の課題、そして高スキル人材確保における新たな課題を提起しています。

【ベトナム進出日系企業が直面するHR課題と対策】

ベトナムは人件費や物価の面で大きなコスト優位性を提供しますが、日系企業がこの市場で事業を展開する上で、HR(人材) 関連の課題も存在します。単にコストが安いだけではクリアできない、人材の確保と定着、そして生産性の向上が重要な経営課題となります。

□ HR課題

1. 高スキル人材獲得競争の激化と賃金高騰
管理職、ITエンジニア、デジタルマーケティング職など、特定のスキルを持つ優秀な人材の獲得競争が激化しています。これらの人材の給与水準は急速に上昇しており、ローカル企業や他国の外資系企業との人材争奪戦が激しく、単純な低賃金だけでは優秀な人材を引き留めることが困難になっています。
2. 全体的な人件費の継続的な上昇とコスト管理
最低賃金を含む人件費は毎年着実に上昇しており、これは企業の固定費上昇要因となります。特に単純労働に依存するビジネスモデルでは、人件費上昇が利益を圧迫するリスクがあります。人件費上昇のトレンドの中で、いかに効果的な人件費管理と最適化を行うかが課題となります。
3. 従業員の定着率とエンゲージメントの向上
高い経済成長と転職市場の活発化は、従業員の定着率に影響を与える可能性があります。特に若年層はキャリアアップや給与向上に意欲的であり、企業は単なる給与だけでなく、働きがいやキャリアパスの提供を通じて従業員のエンゲージメントを高める必要があります。
4. 労働生産性の向上
低い人件費のメリットを享受するためには、一人当たりの生産性を高めることが不可欠です。スキルレベルのばらつき、業務プロセス、マネジメント手法の改善など、総合的な労働生産性の向上が求められます。

□ HR課題をクリアするための対策

これらのHR課題を乗り越え、ベトナムでの事業を成功させるためには、日系企業は以下の対策を講じる必要があります。

1. 競争力のある報酬体系と評価制度の構築
市場動向を常に把握し、特に高スキル人材に対しては、市場価値に見合った競争力のある給与水準を設定します。
透明性の高い評価制度を構築し、成果に応じたインセンティブや手当、明確な昇給制度を導入することで、従業員のモチベーションとパフォーマンス向上を促します。
2. 非金銭的報酬の強化
給与以外の魅力を高め、この会社で働く価値を創造します。
・キャリアパスの明確化と育成機会の提供: 研修プログラム、OJT、資格取得支援など、従業員が成長を実感できる機会を提供します。
・働きがいのある企業文化の醸成: オープンなコミュニケーション、チームワークの推進、従業員の意見を尊重する風土を育みます。
・福利厚生の充実: 健康診断、社員旅行、イベント、住宅/交通費補助など、従業員の生活をサポートし、会社への帰属意識を高めます。
・ワークライフバランスの推進: 長時間労働の是正、有給休暇の取得促進など、従業員が仕事と私生活のバランスを取れるよう配慮します。
3. 現地マネジメント層の育成と権限移譲
ベトナム人従業員が主体的に業務を遂行し、リーダーシップを発揮できるよう、現地マネジメント層の育成に力を入れ、適切な権限を移譲します。これにより、意思決定の迅速化と従業員の主体性向上を促し、組織全体の生産性を高めます。
4. 採用チャネルの多様化と効果的な人材確保
人材紹介会社との連携に加え、SNSを活用したリクルーティング、大学との連携、インターンシッププログラムの導入など、多様な採用チャネルを構築し、潜在的な候補者にリーチします。採用面接では単なるスキルだけでなく、企業の文化や価値観とのフィットも重視します。特に高スキル人材の採用においては、専門性を見極めるためのプロセスを強化します。
5. 労働法規と文化の深い理解と遵守
ベトナムの複雑な労働法規や独特の商習慣、文化を深く理解し、遵守することは、トラブル回避と従業員からの信頼獲得の基盤となります。必要に応じて専門家のアドバイスを活用し、適切なHRポリシーを策定・運用することが不可欠です。

ベトナム市場は、安価な最低賃金という魅力を持ちつつも、高スキル人材の賃金上昇と人材獲得競争の激化という課題に直面しています。しかし、これらの課題に対して戦略的なHR施策を講じることで、優秀な人材を確保し、生産性を向上させ、ひいては企業の持続的な成長を実現すること
が可能です。

弊社では、このようなベトナム市場のHR特性を深く理解し、貴社のHR戦略が最大限の効果を発揮できるよう、多角的な視点からサポートを提供しております。ベトナム事業のさらなる発展のため、ぜひお気軽にご相談ください。

【参考情報】経済指標と主要都市の物価・最低賃金データ①

指標/項目 ベトナム(ホーチミン市など第1種地域) 日本(東京) その他主要都市(目安)
ビッグマック価格 約7.6万VND (約2.91USD) 約480円(約3.08USD) 米国(平均) : 5.79USD
ビッグマック指数 51.6%過小評価(対USD) 43.9%過小評価(対USD) –
消費者物価指数(CPI) 2025年Q1: 前年比3.22%↑ 2025年Q1: 前年比2.5%↑ –
ローカルフード フォー: 約5万VND (約300円) – –
バインミー: 約2万VND (約150円) – –
コーヒー(一般カフェ) 約2万VND (約120円) 約380円~ o タイ(バンコク) : 約400円~
o マレーシア(クアラルンプール) : 約300円~
o インドネシア(ジャカルタ) : 約150円~
o フィリピン(マニラ) : 約240円~
o 米国(ニューヨーク) : 約700円~
コーヒー(スターバックス) 約6.5万VND (約400円) 約380円~ o タイ(バンコク) : 約460円~
o マレーシア(クアラルンプール) : 約350円~
o インドネシア(ジャカルタ) : 約300円~
o フィリピン(マニラ) : 約370円~
o 米国(ニューヨーク) : 約620円~
最低賃金(月額概算) 496万VND(約2.8万
円)(2024年7月適用)
※2026年1月からの改
定案: 531万VND(約3.0万円)
約18.0万円(時給1,112円換算) o タイ(バンコク) : 日額372バーツ(約1.6万円、週6日勤務の場合月額約4.3万円) (2024年7月適用。)
o マレーシア(全国一律) : 月額1,700リンギ(約5.95万円)(2024年2月適用)
o インドネシア(ジャカルタ) : 月額5,067,381ルピア(約4.56万円) (2024年1月適用)
o フィリピン(マニラ首都圏) : 日額645ペソ(約1,770円、週6日勤務の場合月額約4.7万円) (2024年7月適用)
o 米国(ニューヨーク市) : 約42.2万円(時給16.5ドル換
算)

【参考情報】経済指標と主要都市の物価・最低賃金データ②

指標/項目 ベトナム(ホーチミン市など第1種地域) 日本(東京) その他主要都市(目安)
高スキル人材 – 平均
月収
(管理職、ITエンジ
ニア、デジタルマーケテ
ィング職など)
管理職: 約18万~45
万円(ビジネス英語レベル)
ITエンジニア: 約15万~32万円(経験者・シニアクラス)
デジタルマーケティング職:
約15万~30万円(専
門家・リーダークラス)
– o タイ(IT) : 約31.5万~54万円
o タイ(デジタルマーケティング) : 約20万~70万円
o マレーシア(ITマネージャー) : 約28万~52.5万円
o マレーシア(デジタルマーケティング) : 約25万~50万円
o インドネシア(シニアITエンジニア) : 約14万~25万円
o インドネシア(デジタルマーケティング) : 約5万~16万円
o フィリピン(シニアITエンジニア) : 約26万~39万円
o フィリピン(デジタルマーケティング) : 約25万~40万円
製造業 生産管理
(マネージャー)
平均月収
約20万~45万円(経
験者・マネージャー層))
– o タイ: 約40万~70万円
o マレーシア: 約25万~60万円
o インドネシア: 約25万~40万円
o フィリピン: 約25万~50万円
管理部門職種(人事・総務・経理など)
平均月収
約10万~30万円
(経験者・マネージャー層)
– o タイ: 約20万~80万円
o マレーシア: 約20万~60万円
o インドネシア: 約20万~50万
o フィリピン: 約20万~40万円
最低賃金上昇率 (直近3年平均/直近) 約6.4%(2024年)(2026年改定案は平均7.2%増) 約3.5%(直近3年平均) o タイ(バンコク) : 約2.9%(2024年1月改定)
o (2025年7月改定案は平均7.5%増)
o マレーシア: 約13.3%(2024年2月改定)
o インドネシア(ジャカルタ) : 約3.4%(2024年)
o フィリピン(マニラ首都圏) : 約5.7%(2024年7月改定)

※上記数値は2025年7月現在での目安や参考数値であり、為替レート、地域、調査機関により変動する可能性があります。

クイックベトナム 【執筆者】クイックベトナム Facebook QUICK VIETNAM CO.,LTD 親会社の(株)クイックは東証プライム市場上場企業で安心。ベトナム12年の実績があり正規人材紹介ライセンス取得業者。ベトナム歴の長いキャリアコンサルタントが在籍。
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