公開日:2021/03/19
少し変わったベトナム入国手続き(ホーチミンの周辺省)
※本記事は3月15日に寄稿したものになります。
年度末にかけて増えてきました
年明けからテト前ぐらいにかけて一時帰国とセットの入国相談が散発的に来る程度で、手続きの流れ自体は落ち着いたものと考えていたのですが、年度末にかけて相談件数が増えてきましたね。しかも昨年中と変わって少し変化球気味な案件ばかりです。
といったところで今回はホーチミン市の周辺省への入国相談について実例を交えながらご紹介いたします。
そもそものベトナムの手続きの仕組み
ベトナムの行政区分はおおまかに5つの直轄市(ハノイ、ホーチミン、ダナンなど)、58の省(ドンナイ、ビンズンなど)で区分けされています。そうなんです。省の数、日本の都道府県よりも多いんです。
この各市・省毎に人民委員会などの行政組織が存在するのですが、政府の通達などにも『各市・省の人民委員会の判断に委ねる』といった文言が入ることが多く、今回のコロナ感染による対応が各市・省により微妙に異なる、という仕組みになっています。
アメリカの様に州により法律が違う、というレベルではありませんが、日本よりも地方自治体の裁量権が広くて強い印象です。
ホーチミン市と周辺省の違い
各市・省により異なるといっても全部が全部異なるわけではなく、軸となる部分は存在します。北部であればハノイ市、南部であればホーチミン市の策定した手続きに、他の省がなんとなく寄せていくというパターンが主です。
そういった中で筆者の会社でお取り扱い可能な、周辺4省(ビンズン、ドンナイ、ロンアン、バリアブンタウ)とホーチミン市の一番の違いは、申請時に原則として労働許可証(WP)の取得が必要、という点です。
すでにWPをお持ちの方であれば問題ないのですが、未取得の方は事前に取得するか、何かしらの対策を立てなくてはいけません。
※テト明けからホーチミン市でWP未取得の方も求められる職歴要件が厳しくなりました。
改善された部分もあります
昨年の8月末頃にホーチミンの周辺省の申請者はホーチミン市内での隔離滞在は不可、という公文書が出ていました。
こちらは記事寄稿の時点では適用されていないので、周辺省入国申請+ホーチミン市内の指定ホテルで隔離期間の滞在、が可能となっています。
非常に評判の悪かった周辺省の安宿での隔離の恐怖は現在のところ避けることが可能です。
まとめ
隣国のタイでは来月からワクチンパスポートの導入を実行に移す段階の様ですが、ベトナムでは現在のところ、他国のワクチンパスポートも効力はありません。
参考ニュース)https://www.viet-jo.com/news/social/210310181404.html
この記事が出る3月19日はベトナムへの外国人の入国制限が始まってほぼ丸1年経過となるのですが、人事異動をどうするか、ベトナム現法設立したけど稼働できていない、といったお悩みを抱えた企業様は手間をかけても入国させるか、このまま様子を見るかの判断を迫られる状況です。
宣伝となってしまいますが、ホーチミン市への新規入国の際の規制対応、周辺省でのWP取得などは筆者の会社でもお手伝いしておりますので、動かすしかない、と判断された際にはお見積りのご相談も承っていますので、ご連絡ください。