公開日:2021/03/12
外国人労働者の労働許可書申請に関する変更点(2021年3月)
1:労働許可書の新規申請及び更新申請の運用について
ベトナムでは2021年から改正労働法が施行されて、複数の施行細則も成立し始めています。
今回は政令152/2020/ND-CP(政令152号)を中心に重要ポイントを説明致します。
※政令152号は2021年2月15日に施行されています。労働許可書の期日に関して新労働法では労働許可書の更新は一回に限り有効とは明記されている為、新規申請の最長2年と1回の更新で2年の合計でも最長4年になります。4年毎に新規申請必要になる予定です。海外からの渡航制限中である現状の労働許可証の新規申請・更新申請については地域によって運用に差がありますが、新規申請は全てのエリアで認められています。
更新についてはホーチミン市、ビンズン省、ロンアン省は今年の更新は認めず、全て新規申請になります。
ドンナイ省、バリアブンタオ省は初めての更新のみ認めるとの状況になっています。地域によって運用方法にバラツキがある点は注意しなければならないです。
今年、更新予定の方もエリアによっては新規申請を行う必要があり、早めの準備を行って頂きたいです。ベトナム在住者の新規申請の必要書類には「ベトナムの無犯罪証明」が必要になり、発行まで1か月程度は時間を要する場合もあります。
2:労働許可書の免除対象者
新法では労働許可書の免除除対象に「ベトナム人配偶者を持ち、ベトナムに居住する外国人」が新しく加わりました。ベトナム国籍の方と結婚(奥様・旦那様)されている方は労働許可書が無くても働ける事になります。結果的に新卒者や実務経験が少ない方、など現状の労働許可書要件を満たさない方でも問題なく働けます。
その他では「短期就労で1回のベトナム滞在期間が30日以下かつ入国回数が年3回までの出張者など」や「ベトナムで設立された有限責任会社の出資者や株式会社などの取締役」は資本金が30億VND以上(約1500万円)になりました。旧法では資本金の金額に明記が無かったですが、今後は約1500万円以上の投資が必要であると認識頂きたいです。
3:労働許可書の申請カテゴリーや要件
労働許可書の申請カテゴリーは以下4つに大別されます。
A:管理者:ベトナム企業法第4条24項に規定される、企業の管理者または組織の代表あるいは副代表のポジションを有する者のみが管理者とされる。旧法からの変更点は特に無く、現地法人の社長ポジションの方が実務上では管理者として申請できる方になります。
B: マネージングディレクター(Managing Directors):主に駐在員事務所の所長の方が申請するカテゴリーになります。
C: 専門家:管理者や技術者以外の方は全て専門家になるため、一番多いカテゴリーにはなります。旧法では、「学士以上の学位を持ち、かつ、その学位に関する3年以上の実務経験を持つ、または海外機関、組織、企業が専門家であると認定した証明書を有する」の要件でした。政令152号により、「学士以上の学位と3年以上の実務経験」または「公認資格証明書と5年以上の実務経験」が求められるようになります。大学の専攻および実務経験もベトナムでの職域に関係がなければならないと解釈されてもいます。例えばですが理系学部卒、文学部・教育学部卒で営業マネジャー職などの専門家では申請が受理されない可能性もあります。旧法と比較して、専門家の申請要件が厳格化されており、労働許可証取得の難易度が高くなっている可能性があります。
D: 技術者:「1年以上の研修経験と3年以上の実務経験」または「5年以上の実務経験」があれば、労働許可証を取得できる。そのうち「5年以上の実務経験」という選択は新しく追加された規定であります。高卒者や専門・短大卒者でも5年以上の実務経験を証明できれば技術者として申請可能になります。具体的な職種としては生産技術、ITエンジニア、建築設計、機械設計などが「技術者」としての申請カテゴリーに該当すると考えられています。
ベトナムでの労働許可書は「駐在員(日本本社からの出向者)」及び「現地採用」双方とも外国人雇用(日本人)はでは重要な申請になります。いずれにしても早めにご準備頂く事で柔軟に対応頂きたいです。
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