公開日:2019/04/19
自転車で行くホーチミン市内からビンズン省~
とある休日にふと思いだしたのが、ホーチミンのお隣のビンズン省(Tỉnh Bình Dương)のことでした。実際に行ったことはありませんが、なんでもホーチミンの中心部から、バスで一時間もあれば行けるということです。考えてみればホーチミンへ渡ってきてからというもの遠出ということをしたことがなく、(思い浮かんだというのも何かの縁だろう)というわけでビンズン省へ出向くことに決めたのでした。
バスでということも考えたのですが、思い立てば即座に実行したくなるのがこの私、あれこれと調べるのも面倒なので自転車を走らせることにしました。やりたくなったことがあり、それができるのであれば何をためらうことがありましょうか。というわけで、今回はビンズォン省へ向かったレポートです。
※ビンズン省はホーチミン市内から20Km(ホーチミン市との境界) ぐらいの位置にあり、日系製造業が入居している工業団地も複数あります。日本の東急電鉄が1000億円の投資をして街づくりをしていると話題になっているエリアです。
自転車でGO! GO!
自転車で一区のĐiện Biên Phủを走りに走ったあとは、グーグルマップを頼りにひたすらホーチミンを北上しました。空は快晴、暑いは暑いですが、どうせ汗をかく運動をしているわけですから気にもならず、むしろドバドバ流れる汗がデトックス感に満ちているように思えてお得なうえに爽快です。
ところで今更ですが、(よくもまあ、ここまで)と思えるほど、私は自転車で移動するということが好きです。自転車という発明のおかげではありながらも自分の意思や力が走行の大半を決定する、つまりは自力で移動しているという実感が得られるところが好きなのだと思います。それでいて、歩いたり走ったりするのとは段違いの速度を出すことができるというわけで、もうたまりません。最高です。大笑いしたいところでしたが、それでは何なので我慢していたところ、ニヤニヤ笑いが抑えられなくなってよけいに不審者感が出ていたことと思われます。
それはともかくとして…ここはどこだ?
ホーチミン市内も公道は広いのですが、北上を続けるうちにいよいよもって道幅が広がってきました。まあそれは日本でも同じことで、いわゆる田舎の県道の類などが長距離移動のトラックがバンバン飛び交うということもあって駄々っ広い造りになっているのと大差はありません。そして、青空の下に果てしなく続くかのように見える道。歩きであれば心細さも覚えたかもしれませんが、自転車、それもパンク笑止の極太タイヤ仕様のマウンテンバイクなので怖いものなどありません。それどころか、(やった、これでもっと自由に走れるぞ! しかも飽きるまで走れるぞ!)と浮き立つ心に笑いが止まりませんでした。
もはや自転車で走ることが目的になっていた
私はいちいち自転車を止めて現在位置を確認するのが面倒になり、「とりあえず、なんか田舎っぽい風景だから、このへん全部ビンズン省」という、郷土愛あふれるビンズン省の人が聞いたら激怒しそうな結論をたたき出し、それからはひたすら気の向くままに自転車を走らせたのでした。方向オンチの救世主であるグーグルマップ先生がついていたことも、私をいい気にならせていたと断言できます。しかしながら私の走っていた場所は実際にビンズン省にまで達しており、その風景は、母方の故郷である愛媛県や父方のそれである岡山県で過ごした少年時代を思い出させてくれました。
そして……
心まで私を少年時代に戻してくれたのが、グーグルマップ先生についていてもらいながらさえ道に迷った事実でした。もはや道に迷う天才です。道に迷った少年少女は可愛げもありますが、こちらは中身はともかく図体だけは大人です。自転車に乗った大の大人の男に声をかけてくれるなど、お巡りさんぐらいのものでしょう。が、お巡りさんも見当たりません。となれば道は一つしかないというわけで、私は善良なビンズン省の人々にさんざん道を尋ねては教えていただくということを繰り返し、おかげさまで無事に帰宅を果たせたのでした。
かように傍迷惑なことをしてしまった点については猛省しておりますが、同時に、ビンズン省にて道に迷ってもなんとかなるという結果報告を皆様に果たせたかと存じます。皆様も、ぜひともビンズン省へ出かけられてはいかがでしょうか。自転車ならずとも。
備考:
ホーチミン市内とビンズン省を往復(約40Km)したうえでの実感ですが、道中、人気が絶えるということはなく、危険や不安を感じるというようなことはありませんでした。また、国道沿いには常になにがしかの商店や露店の姿があり、用意がなくても飲食に困るということはないと断言できます。車やバイクの運転が市内に比べて荒っぽかったり、スピードを出し過ぎるということもありませんでした。あくまで自己責任ですが(私が言うのもなんですが)、男女問わず成人であればまず危険はないだろうというのが私の実感です。
Quick Vietnam インターンShin