公開日:2020/02/14
コンサル会社から見るベトナム労働法改正
巷では本日はバレンタインデーですね。ベトナム、というか東南アジアでは女性が男性にチョコレートをあげるという慣習ではなく、男性から女性にプレゼントをしなくてはいけませんので、ご注意を。
さて、先週はビザ関係の法改正をご紹介いたしましたが、今週は労働法の改正についてのご紹介です。こちらも昨年11月に国会で可決されました。QUICK VIETNAM様のコラムでは弁護士の方も記事を書かれていますので、法律の解釈などの難解なお話はお任せするとして、弊社としてはコンサルの目線から実際に運用面などでどうなるのかを述べていきます。
【そもそも何の改正があったのですか?】
新しくベトナムに移住された方などのために、順を追って説明いたしますと、今回改正されるのは、ベトナムの労働法です。名前から分かるように、私たち外国人の労働許可証の発行などにも関わる法律になります。
主な改正点は?
主な改正ポイントを羅列していきますと、
・残業時間の規定
・定年年齢の引き上げ
・労働契約の種類の集約(ベトナム人従業員向け)
・祝日の増加
・外国人労働者に関する規定変更
このうち、本記事では祝日と外国人に関する部分を掘り下げさせていただきます。
日本人含む外国人は残業代の概念が無い労働契約の場合がほとんどですし、シニアの方もバリバリ仕事していますので、私の記事でそれらについては触れません。
祝日ッ!増加ッッ!!
ベトナム在住の皆さまはご存知の通り、日本と比べても、他のASEAN諸国と比べても祝日の少ないベトナム。晴れて改正労働法により祝日が1日増加となりました!!!
増加となる祝日はベトナムの建国記念日(毎年9月2日)の前日か翌日となっております。具体的な日程は毎年首相決定事項とのことですので、常にアンテナを張っておきましょう。テトのある上半期とバランス取るために、11月あたりにもう1日くらい増えてもいいんですけどね(笑)
外国人に関する変更はどうなるの?
外国人労働者に関する変更点で、主に影響がありそうなものは以下の2つです。
いずれも外国人側に悪い影響が出るものでは無い、という印象です。
・労働許可証の『延長』が出来るようになった。
・ベトナム人配偶者のいる方は、労働許可証の取得が不要になった。
うーんと、、、つまり???
個別に説明を補足いたしますと、
・労働許可証の『延長』が出来るようになった。とは?⇒現在は最大2年ごとに労働許可証を新しく取り直しています。(『更新』と言ってますが、実質は新規申請です。)
改正後は1回だけ最大2年の『延長』が出来るようになります。当然ながら勤務先が変わらない場合、となります。
この新規+延長の4年サイクルが終わると、また新しく労働許可証を取り直し、つまり『更新』という運用になる見込みです。
ただ、私の周りで4年以上同じ会社で働いてる方、現地採用の方ではほとんどいないですね(笑)
・ ベトナム人配偶者のいる方は、労働許可証の取得が不要になった。⇒読んで字のごとく、ベトナム人の方と結婚している方が対象となるのですが、
ベトナム人と外国人の婚姻手続き、ベトナム側の完了までが非常に面倒なうえに時間がかかります。(経験者たちのお話より)
実務的なお話をすると、配偶者ビザの取得は必要となりますので、婚姻手続きが完了したからといって何もしなくていいわけではありません。
ルール変更はいつから?
法改正、ルール変更で見落としがちですがとても重要なのは、『新しいルールはいつから始まるのか?』です。
この労働法の変更は、2021年1月1日から適用、となります。(前回記事と適用開始日が異なります。)
この記事が出ているから、もうルールが変わったというわけではありません。
ちなみに労働許可証を取得せずに働くと、、、
今の時点では、ベトナム人配偶者様がいても労働許可証を取得せずに就労をしていると、不法就労となります。
・ご本人のベトナムからの強制退去
・勤務先(雇用主)に対し罰金や営業停止処分
といった不利益がかかりますので、ご注意ください。
他社様で労働許可証の取得が出来なかった場合でも、弊社で取得できた事例がございますので、ベトナム現法の日本人及び外国人社員の方の労働許可証取得でお悩みの方は是非ともお問合せください。
※新型コロナウイルスの影響で一部の省で感染国の国籍者への労働許可証は、申請受付、発行が一時停止という措置が取られています。対応が省により異なります。ただし、ホーチミン市では現在のところ中国本土籍の方以外は通常通りです。