公開日:2021/03/05
コンサル会社から見るベトナム労働法改正2
※本記事は3月1日に寄稿したものとなります。
他社様があまり触れていない部分に注目
皆さまご存知の通り2021年1月からベトナムの労働法が改正され、2月からは細かい部分を定めた政令も施行されています。
※参考記事(『コンサル会社から見るベトナム労働法改正』、『ベトナム新労働法の細目を規定する新政令について』)
色々な法律事務所様やコンサル会社様が改正についてのポイントをまとめた記事を書かれているのですが、検索上位に出てくる5社くらいを見て、なぜかどの記事でもあまりふれられていない点があり、今回の記事にいたしました。
QUICK VIETNAM様のコラムでは弁護士の方も記事を書かれていますので、法律の解釈などの難解なお話はお任せするとして、弊社としてはコンサルの目線から実際に運用面などでどうなるのかを述べていきます。
大体の記事で出てくる事項
ざっと記事を見てみたところ、どの記事でも出てくるのは以下の事項です。
・労働契約に関して(定義や形式)
・試用期間、定年、残業、賃金、祝日について
・外国人に関する変更について
・使用者から解雇できるケースについて
これらの内容は雇用主側向けの内容となります。
小見出し:雇われる側にも知識が必要
筆者は今でこそ経営者ぶってますが(笑)、起業前までは現地採用、つまり雇われる側の人間でした。
そんな中で思うのは、ベトナムでは使用者、経営者(雇う側)と労働者(雇われる側)の間で知識や情報量に差がありすぎると感じています。
さて、今回の法改正において『使用者(雇う側)から解雇できるケース』というのは改正労働法の36条に列挙されているのですが、『労働者(雇われる側)から一方的に辞められるケース』が35条に列挙されているのをご存知の労働者側の方はどのくらいいるでしょうか?
とりわけ現地採用の方で退職にあたり現在の職場とトラブルが起きそうな方、現在の職場でトラブルに見舞われている最中の方、既にJETRO様のウェブサイトで改正労働法の日本語訳も出ているので、一読の価値はあります。
まとめ
上記の労働者側から辞められるケース含めて、労働契約の終了については下記リンクの第3節にまとまっています。ページ数にしてわずか7ページです。
『労働者(雇われる側)から一方的に辞められるケース』の35条を要約すれば、
・1項は事前通知する通常の退職について
・2項は事前通知不要の使用者から不当な扱いを受けた場合の退職について
この2項の方にいわゆるパワハラや政令で細かく書かれているセクハラについても記載されています。
反対に使用者側の方は上記のようなことをしてしまうと、せっかくの手間やコストをかけて採用した人材にいきなりの退職をされる可能性がある、というリスクを認識したうえで、人材育成や会社経営を行う必要があります。
しかし、パワハラもセクハラも、された側がどう感じるか次第とよく言われていますが、筆者も若いころは上司や先輩の方に厳しく言われることもありましたし、当然自分が悪ければ甘んじて助言として受け入れていました。
ただ、最近の若者だと自分が悪くても注意されただけでメンタル崩壊してしまう人もいると聞きますので、 むずかしいですね、人材育成は、、、、注意しただけでふてくされてしまうようだと、あとは黙って見捨てるしかないですからねぇ。。。セクハラについては、筆者も含めておじさん連中はパワハラ以上に気を遣わないといけませんね(笑)