公開日:2025/10/03
ベトナム中秋節(Tết Trung Thu)~旧暦8月15日の賑やかなお祭り~
旧暦8月15日は中秋節。今年は10月6日です。日本ではお月見の日として、夜空に浮かぶ中秋の名月を眺めながら静かなひと時を過ごす、そんなイメージがあると思います。一方ベトナムでは、太鼓の音とともに獅子が舞い、屋台には様々なランタンや飾りが並び賑やかな雰囲気に包まれます。また、故ホー・チ・ミン主席が毎年中秋節に全国の子供たちに手紙を送っていたことから、現在では子供達が楽しむお祭りの日にもなっています。今回はベトナムの中秋節ならではのものをご紹介したいと思います。
ランタン(Lồng đèn)
この時期になると、色とりどりのランタンや飾りなどが通りの屋台などに並びます。ホーチミン市のチョンロン地区 Luong Nhu Hoc通りは「ランタン通り」として知られており、毎年この時期になるととても賑わいます。この通りでランタンが売られるようになったのは半世紀以上前とのことで、通り自体はそれほど長くないですが、伝統的なデザインから現代的なものまで様々なランタンや飾りが並びます。観光や買い物、記念写真撮影など、この時期の人気の観光スポットになっています。
獅子舞(Múa lân)
ベトナムでは、旧正月や開業、結婚式などのお祝い事でも目にすることがある獅子舞は中秋節でも欠かせません。邪気を払い、幸運と繁栄を願い、太鼓に合わせて獅子が道を練り歩き、とても賑やかな雰囲気です。
月餅 (Bánh nướng(焼き月餅)/Bánh dẻo (米粉を使った柔らかい餅))
この時期になると、菓子店、デパート、スーパー、コンビニ、至る所で売られています。日本のお中元のように、取引先に配ったり、恩師や普段お世話になっている方に贈る習慣があり、立派なギフトボックスに入ったセットなどもあちこちで見かけます。
月餅には焼いたもの(Bánh nướng、バインヌオン)と、米粉から作られた白い餅タイプのもの(bánh dẻo、バインゼオ)がありますが、贈答する際の保存性の観点からか、焼き月餅の方を見かけることの方が圧倒的に多いです。
中身は様々で、小豆、緑豆、蓮の実、ハム、塩卵、ナッツなどの、オーソドックスな餡が入ったものから、最近ではチョコレートや抹茶、クリームチーズなどのほか、卵黄が溶け出るもの(Bánh Trung Thu lava trứng muối)などユニークな月餅もあるようです。
お店の方に人気の種類を伺い、鶏肉やナッツなどが入った月餅(Thập cẩm gà quay)と、蓮の実の餡(Hạt sen)を購入しました。中にはそれぞれ塩漬け卵黄が2個入っていました。1個220gぐらいあり1人1個だと多いので、皆で分けて食べると良いと思います。
まとめ
ベトナムの中秋節は、家族や仲間と一緒に楽しみ、子供達にとってもワクワクする賑やかな一大イベントです。この時期に訪れる機会があれば、ぜひ色とりどりのランタンや賑やかな獅子舞、月餅などを楽しんでいただきたいと思います。