公開日:2017/11/03
海外勤務(ベトナム勤務)面接では言ってはいけない7つのNGワード(失言)
弊社は企業の社長や人事担当者から面接後の応募者の印象やNG理由をお聞きする機会も多いです。
学歴や職歴含めて非常に優秀な人材で評価もされている方が面接時に発したその一言で採用NGの判断に至っている場合があります。
応募者自身が気づいていない場合も多く、ありがちな失言のパターンを検証します。
「口は災いのもと」とではございませんが、そのNGワード(失言)について7つの事例で説明致します。
1:「いつまで働けるかお約束できない」 定着性は企業の最重要ポイントです。
海外の日本人現地採用で企業側が気にされている観点は定着率になります。
過去の採用失敗事例の多くは入社後数か月から一年での日本帰国などの早期退職が多いです。
早期退職理由もご自身都合から家族都合など日本への帰国理由は無限に存在しますし、予見できないです。
初めての海外就労の場合は特に生活・商習慣など日本よりも慣れるだけでも時間を要します。戦力化できる目途が立つと退職されると引き継ぎの業務ロスや日本本社への説明など受入れ企業側の負荷は非常に大きくなります。どれぐらい働けそうかは最重要のポイントになっています。
企業側の立場に立つと、「なぜ海外勤務(ベトナム勤務)なのか?」と「どのぐらいの期間働けそうか?」は必ず面接時に質問されます。
※面接官自身が自営経営者や駐在で派遣されているため、自分自身のベトナム滞在理由は明確になっています。
その質問時にある意味正直に、「いつまで働けるかお約束はできない」と回答する気持ちも理解できますが少なくても3年間は頑張りたいなど、入社時の覚悟だけはお伝え頂きたいです。
どんなに評価されていてもすぐ辞めそうと思われた場合は内定に至らないです。
2:「ベトナム人は・・・・である」「ホーチミンは・・・・です」 事実でしょうか?
ご自身の経験を説明する際に、ベトナム人材の特徴やベトナム・ホーチミンについての知識を必要以上に話す方もいます。
最悪な場合はベトナム人材について上から目線で「・・が出来ない」「・・・な人ばかり」などとご自身の主観を説明している方は注意が必要です。事実を元に話される場合であっても同様です。国籍に関わらず、敬意を持って他人に接することは人としてのマナーになります。個人差が大きい人材特徴について定性的な話をする事は思慮が足りない人に思われます。
別の観点では環境変化が激しいベトナムでは過去の事実や事象が現在は変化している場合も多いです。法令なども随時アップデートされている場合も多く、思い込みや過去事実と現状を切り分ける必要はあります。
特に商習慣的なキックバック、ワイロ要求などのネガティブ情報については事実であっても話す必要はないです。
ある意味友人とのお酒の席と面接は別であると認識頂きたいです。
3:「情けない話ですが・・」「私なんか・・・」過去の事実は伝え方に注意
過去の業務経験や退職理由について、ある意味謙虚に事実を伝えるために過度に謙遜して、「お恥ずかしい話ですが、、」と何度もお伝えする方がいらしゃいます。特に海外勤務では入社時に想定出来ないことも多く、会社の業績悪化、急な経営方針変更など不可抗力で退職している場合も多いです。
自責にしてお伝えすることは良い事ではありますが、自分自身を卑下する必要も無いです。
あくまで事実とその時のどのように考えて選択したか、どのように判断したかなど背景をお伝え頂きたいです。失敗を通じて何を学んでどのように成長したかの方が大切になります。
日本よりは予想が出来ない事も多い海外勤務で、自己責任で動けない方は自信がなさそうに見えて評価が下がります。
4:「在職中や在籍していた企業情報詳細・・」 守秘義務違反や過去在籍企業批判はNG
過去の在職企業の財務内容詳細や、新規事業戦略など、機密性が高い情報や、パワハラ・人間関係などネガティブな詳細情報を面接時にお答えしている方がいらっしゃいます。自分自身を正当化するために内部情報を批判的にお伝えしても何も得する事はないです。モラルが低い人材や、軽率で思慮が浅い人材などマイナス評価の要因になります。
取引先企業名などもHPで既に公開されている場合は大丈夫ですが、社名なども重要な守秘義務情報にはなります。
ぜひ注意しながらご説明をお願いしたいです。
5:「●●さんを知っている」「ベトナム政府へのネットワーク」など人脈アピール
海外勤務の場合は現地人脈やネットワークの重要性はある意味気になるポイントではります。
応募企業先の業界に役に立ちそうなネットワークは期待される事はありますが、あまり強調しすぎると、逆にあやしまれてビジネスの理解をしていないとマイナス評価されることもあります。
あくまで過去の人脈についてはアップデートして現在も影響力があり、応募企業で活用できる場合のみ実名を挙げないでさらっとアピール頂きたいです。
6:「・・わかっています」「・・は経験している」など知ったかぶりのアピール
面接時の質問で特有の業界用語など実は理解できない事についても「はい、わかりました」「・・存じあげています」など曖昧な返事をしてしまう場合はあります。特に海外勤務については独自の商習慣や物流事情などもあります。
面接官の立場では「知らない事」をマイナス評価はしないです。正直に「存じ上げておりません」や「例えばどのような事でしょうか」と知らないことを伝えて頂きたいです。わかったふりをすることは相手に伝わります。正直な言動が印象を高めます。
7:「・・のビジネスプランは」「事業戦略は・・した方が良い」 評論家は求めていない。
キャリアがある人ほど、過去の成功体験を元に、応募企業の事業戦略・営業戦略などに意見される場合があります。
あくまで仮説を持つことは大切ですが、ご自身の経営メソッドや経営スタイルなどについては意見を求められた場合のみ回答する程度にして頂いた方が印象は良い場合が多いです。
応募する企業にとって良かれと思って意見をアドバイスされている場合もあります。
まだ入社もしていない方から自社を一番理解している方に意見するのは、逆に傲慢な印象を与えます。
評論家を欲しい企業は存在しなく、実務能力や行動力を確認しています。
転職後に活躍されている方の特徴はまずは転職企業の全てを受け止める事を意識しています。
固有の社風や文化、価値観、自社内人材、商習慣などを深く理解した後にご自身の考えや意見を伝えて欲しいです。
以上が代表的なNGワード(失言)になります。
海外勤務の場合は面接官も人事のプロフェッショナルではないですが、今回ご説明しているパターンでは面接官(相手)の立場に立つ想像力を発揮すれば、防げる失言にはなります。
面接は面接官との言葉のキャッチボールにはなります。相手の質問については落ち着いて端的に回答することに集中して頂きたいです。ご自身をアピールする場ではございますが、自分が伝えたい事ではなくあくまで相手がお聞きしたいことについて論理的かつ誠実に回答することが本質的な目的にはなります。
当然、企業側への質問事項なども事前に最低でも3つぐらいはご準備頂ければと思います。
弊社では面接対策なども丁寧に事前レクチャーや模擬面接も実施しております。
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