公開日:2017/07/05
日本採用での海外駐在(出向)と海外法人採用(現地採用)について
海外勤務には様々な雇用形態があります。勤務先が日系企業、非日系企業によっても違いがあり、自分自身の優先順位や判断基準に合致度が高い選択をして頂きたいと思います。
表面的な駐在員と現地採用の待遇面での格差ではなく本質的な違い理解頂きたいです。
日系企業の場合は日本採用での海外駐在は基本的には会社都合になり、ご自身の希望で海外就労が約束される事はありません。ある意味、任期があり期間限定の海外就業になります。
一方海外法人採用(現地採用)の場合は地域採用になり、ご自身が住みたい国や住みたい都市を選ぶことも可能です、期間の定めがないとも言えます。英語、中国語、ベトナム語など学んだ外国語力を活かしたい事が最優先の場合は現地採用では確実に実現できるとも言えます。
日本採用と現地採用のメリット・デメリットについて
日本採用のメリット
1:日本での厚生年金、健康保険などが継続される。海外駐在用の保険にも帯同家族もカバーする場合が多い。
2:日本での給料が保証され、住宅手当、海外赴任手当(ハードシップ)、帰国手当、など待遇が充実している場合が多い。
3:日本では職位・職責が海外法人では上がる場合が多く、マネジメントスキルが求められる。
4:正社員(無期雇用)で海外法人に出向しているため帰任後でも雇用継続性など安定している。
5:希望しない国への赴任や帰任(日本)など既存の仕事の幅も広がり違う発見や視野も広くなる。
日本採用のデメリット
1:そもそも会社都合になり、希望国も選べず、期間も有期になる。
2:現地では責任者であっても日本では中間管理職の場合も多く、日本本社と海外法人の板挟みになりやすい。
3:帯同家族について制限や帯同者の就労や滞在も制限がある場合も多くプラベートな自由度が少なくなる場合が多い。
4:責任範囲が広がり、アテンド、赴任国の祝日であっても日本からの指示・命令・要望などは対応する必要もあり。
公私を分ける事が難しく結果的に労働日数が増える場合が多い。
5:帰任後のキャリアで海外就労が活かせない場合も多い。
海外法人採用(現地採用)のメリット
1:自分の好きな国、好きな都市での就労を選べる。渡航時期も判断できる。
2:海外滞在期間も自分で決める事ができる。
3:帯同家族など制限はなく就労、滞在なども自由。
4:専業や分業が進んでいないな場合も多く幅広い業務経験がつめる。
5:若年層からマネジメント経験が積める場合も多く、管理者として活躍しやすい。
海外法人採用(現地採用)のデメリット
1:日本での厚生年金は任意で国民年金になる。日本での健康保険も日本の非居住者だと加入できない。
2:待遇面については現地物価なども勘案される場合が多く、日本で働くよりは低い場合が多い。
住宅、帰国等各種の手当などは少ない場合が多い。
3:与えられる責任範囲も限定的な場合も多く、現地法人の経営管理は駐在員が担っているため経営TOPにはなりにくい。
4:長期的なキャリア形成は自己責任になるため個人でのキャリア形成に留意する必要がある。
5:日本での転職マーケットでの海外キャリアについて評価されない場合もある。